1.はじめに
2020年5月、1歳6ヶ月の娘の断乳をした時の記録です。
結論から言えば断乳は上手くいったのですが、個人的にこれまでの人生で最も絶望を感じた数日間でした。
その年の3月まで会社に勤めていた自分にとって、育児にしっかりと入るようになって2カ月程度、妻の育児を手伝いながら「育児は大変だ。」等と思っていた自分がどれだけ甘かったか、反省が骨の髄まで染みて全身ボロボロになる思いでした。
ただ結果として、自分が本当に育児に参加できるようになったのもこの時からかな?とも思います。
一生忘れられない、何かあれば読み直してこの時の思いを人生の辛い経験として思い起こしたい思いで纏めます。
そして、これから断乳に取り組む父親の皆様、お子様の性格にもよりますが断乳は本当に大変です。
覚悟を決めて、会社を休んででも取り組んで、少しでも奥さんを手伝ってあげて下さい。
それから一人で断乳を成し遂げた母親の皆様、本当に尊敬します。立派な母親だと思います。
断乳を一人でやり遂げてしまう、しかもおっぱいを持っている本人がやり遂げてしまう、凄いことだと思います。
おそらく長い文章になります。
小室文書並みに長いかと思いますが、書きたいだけ書きます。
誰かへの一助か癒しになれば嬉しいです。
2.娘の状況
娘は生まれてから母乳で育ち、半年頃から離乳食も食べていたものの、食事の合間におっぱい、夜中に目を覚まして泣いたら添い乳と、この辺りは我が家がおっぱいに頼り過ぎていた部分は反省としてあったかと思います。
ただ、娘がカンの強い子ということもあり、しかも寝るのが嫌いな子で、おまけに初めての子供ということもあって、困ったらおっぱいが定着してしまいました。
私が働いている間、一人で子供を見続けた妻の苦労も考えると、おっぱいさえあげれば大人しくなってくれるのだから、それは避けようがなかったように思います。
やがて1月頃に私が退職を決意し、4月に地元に帰り保育園に入れるというのが決まる頃、「断乳しないとね。」というのは当然考えました。
ただ、この先引っ越しの準備があり、転居して、保育園に入って、と、どんどん環境が変わっていく中で、このタイミングで断乳すると娘に余計にストレスがかかるのではないか?と思い、延期しました。
地元で生活に慣れて、保育園にもすんなりいけるようになったら断乳しよう。
夫婦でそう決めて、とりあえず東京にいる間の断乳は封印しました。
そして4月頭に引っ越し、コロナの最中だったので2週間の自宅隔離が過ぎて、4月末から保育園に通い始めました。
慣らし保育が2週間程過ぎ、やっと娘が泣かずに保育園に通えるようになったのが、断乳を開始する5月の中頃です。
一応、保育園には面談の時に断乳をまだしていないこと、5月に始めようと思っていることは伝えていました。
他にも断乳をしていない子もいるし、予定も立っているのであれば一緒に頑張りましょうね。と、前向きな感じの回答も頂いて安心していました。
3.きっかけ
保育園のお迎え時に、園の担当の先生の中で年配の女性に
・なかなかご飯を食べない。
・お昼寝の時間にぐずる。
・泣き出すと止まらない。
といった状況だと言われたことがきっかけでした。
若干、含んだ形で言われましたが、断乳を勧めていることはすぐに気付きました。
娘が保育園にいる間はずっとおっぱいを我慢しているのは事実ですし、多分、おっぱい中毒の娘にはよだれを垂らす程ストレスだろうというのは事実だったかと思います。
ただ、面談した担任の先生とはその辺りの予定は共有出来ているつもりでいたのに、と、釈然としない気持ちはありつつ、そうは言ってもなんとかしなきゃな。と夜に妻と相談しました。
妻も納得は行かない部分はありながらも、ちょうど翌日が妻の帰宅が遅くなることもあり、それであれば妻の帰宅を子供が寝るまで待って貰って、そのまま断乳を始めてしまおうと、勢いで開始してしまいました。
正直な所は、試しにやってみて、子供が母親がいないことに耐えられなくて泣き叫び狂うのであればそこで中断しよう。くらいの軽い気持ちだったのですが。。。
結論から言うと、1度始めるとこのきつさを2度と繰り返したくはない。と思うくらい、始めてしまったら後に引けなくなり、このまま断乳完了まで突っ走ることになりました。
※因みにですが、その先生とはその後のやり取りで信頼も深まり、今では特にしこりも残っていません。
人間関係が出来上がっていない中で言葉が先走ると一気に喧嘩になりますが、この方も悪気なく言葉を発するものの気持ちはちゃんとした方と理解出来、今は良い関係です。
4.1日目の状況
時系列に1日目の状況を記載すると、
前日の夜に寝かし付けで最後のおっぱい。
07:00 起床
~08:20 登園準備
妻には朝から隠れて貰い、妻との接触は勿論、授乳もなし。
ただ、娘も余り気にしていない感じだった。
~08:30 お見送り。
園に着いてすぐ泣き出す。
08:30~16:30 保育園。
ご飯は半分くらい、お昼寝はしなかったとのこと。
16:30~16:40 お迎えに行って帰宅。
帰宅して母親がいないことには気付いているようだがご機嫌。
~17:30 みいつけた!等のEテレを観る。
自分もテンション最大で盛り上げて子供もご満悦。
~18:15 お風呂。
ここ2日ほど、お風呂を愚図る。
スマホでパプリカを見せてご機嫌取りしながら終了。
10回くらい歌って踊った。
~19:30 晩御飯。
急に断乳を決めたので用意できておらず、この日は出来合いのベビーフードで済ます。
お気に入りのしまじろうを流しながら、途中で一緒に踊ってあげながら妻の不在を意識させないように努める。
~20:00 歯磨き、絵本読み、寝かし付け
いつもより長めにテレビを見せた分、テレビを消した時の怒りが大きかった。
絵本は聞いてくれず、歯磨きもなかなか止めず、おもちゃを投げ始めて、寝かし付けどころではない。
~20:30 散歩、就寝
おっぱいという最強の武器を持たない父親にとっては、抱っこ紐での散歩が一番の武器。
あっさり5分で就寝。過去最短に近いほど早い。
21:00 妻にラインをし、妻帰宅
とりあえずここまでの健闘を称え合う。
~00:00 のびのび
本を読んだり、ネットを見たり、のんびり過ごす。
00:00 子供夜泣き
いつも通り3~4時間で一回起きる。
今までは妻がおっぱいをあげてもう一度寝かせていたが、今日はおっぱいが使えない。
おむつを替えても、とんとんしても、だっこしても、暴れるだけ。
妻にしがみついておっぱいを欲しがり、妻は存在自体が逆効果になる。
00:15~01:00 散歩
暴れる娘を無理やり抱っこ紐に乗せて散歩に出る。
どれだけギャン泣きしていても玄関を出るとピタリと泣き止む不思議。
しかし寝ない。。。どれだけ歩いても寝る気配なし!
暗闇で15分山賊踊り(※1)を繰り返し、やっと寝る。
※1:自分オリジナルのダンス。抱っこ紐に乗せて、エッホ、エッホと歌いながら左右に軽いステップを踏む。
01:00 帰宅
ゆっくりと寝室に戻り、妻の隣にそ~っと下ろす。
3時間後にまた起きたらどうしよう?と不安を感じた刹那、飼い猫の鳴き声で娘が目を覚ます。。。
「もういっぺん野良猫に戻してやろうか、あほ猫がー!!!」と叫びそうになる。
01:00~01:15 ギャン泣き、妻抱っこ
妻が抱っこするが、おっぱいが使えないので余計暴れる。
正直、もう辞めるか?とか、夜だけおっぱいあげるか?とか思う。
最後の力を振り絞って、妻に別の部屋に行ってもらい、自分だけでなんとかしようと頑張ってみる。
01:15~02:30 ギャン泣き
妻がいなくなり更に激しく泣く。
だっこやトントンやお水といった無力すぎる武器で立ち向かうが意味なし。
よくもここまで激しく泣き続けられるものだ。と感心したりする。
ただ、段々と心が何も感じなくなる。
02:30~03:00 ついに・・・
途方に暮れて、疲れ果て、泣き止ませることも止めて、暗闇に座って無我の塊になる。
ふと子供が泣き止む。水を差し出すと拒否してギャン泣きする。
また塊になる。
また泣き止むので水を渡す。今度は水を飲んでくれた。
調子に乗ってトントンし始めると、手を払いのけてまたギャン泣きする。
また塊になる。
子供が泣き止む。
ひたすら塊になる。
ひたすら、ひたすら塊になる。
不意に子供がのそのそと近付いてくる。そして膝を登ってきて抱きついてくる。
胸に頭を引っ付けて、ぎゅーっと抱きしめてきた。
かわいい。超かわいい。あったかい。柔らかい。頭から汗と涙の匂いがする。頑張った娘の匂い。ちょっとだけ涙が出る。
こちらもぎゅーっとしながらトントンすると、すぐに子供寝る。。。
07:00 起床
朝まで、起きることなく寝てくれました。
5.1日目の振り返り
00:00~03:00は、経験したことのない辛さでした。
結局のところ、寝かし付けはおっぱいのある妻の役割ということでこれまでやってきていましたし、自分はそこに疑問を持っていませんでした。
だっておっぱいないんだし。
けれど、妻のおっぱいがなくなると、本当にやれることがなくなってしまう。
本当はおっぱいなしでも寝かせられる物を用意しておくべきでした。
いや、実際には抱っこ紐という武器は持っていて、今までも3日に1度くらいは散歩に行っていましたし、山賊踊りも編み出して一定の効果は上げていましたが、でもそれではないのだと思います。
必要なのは、よりスムーズで簡単に子供に眠気をもたらし、そこに追い打ちをかけるように一気に寝落ちさせてしまう技術です。
結局の所、寝かし付けで出来ることはかなり間接的な部分で、睡眠に向けて娘を落ち着かせていくことと、寝る時間ということを子供に自覚させる意識付けがほとんどなんだと思います。
その上で子供の様子を観察しながら、気温や服装を調整したり、お水を飲ませたり、心地よく眠れる場所を用意してあげたり。
寝る前の段階で子供に心地良さと安心感を与える所から始まり、定例的な催眠術に陥るような雰囲気作りと誘導、そしてとろけるようなタッチのトントンとなでなで。
グイグイと抱っこ紐で寝かせるよりも、ホロホロと雰囲気でいい気分にさせて寝かせてしまうのが正解というフェロモン的なテクニックが必要なのだと思います。
とにかく、自分のこれまでの寝かしつけのダメさを根底から覆された3時間でした。
ただ、最終的には不思議なほどメロメロに子供が寄ってきて眠りに落ちてくれたのは今までにない経験で、これこそがそのテクニックの一端なのではないのか?という一筋の光明を垣間見た瞬間でした。
その時に自分からフェロモン的なものがダダ洩れしていたのか、それともただの泣き疲れだったのか?は判りませんが、一つ言えるのは、そのテクニックは本当に存在し、今まさに自分も使ったという事実。
この先、自分はこのテクニックを求めて、子供と格闘を続けなければいけないと、新たな発見を知り決意を改めた経験でした。
『1歳児の断乳の記録 その2』へ続きます。
今更の話ですが、可能であれば断乳よりも、自然とおっぱいを減らしながら卒乳する流れがスムーズかと思います。
我が家も理想はそのやり方で『おっぱいばいばい』も購入し、娘におっぱいと離れる日を理解してもらいながら、最後はおっぱいにアンパンマンの絆創膏を貼ってお別れさせようと思っていたのですが。。。
状況的に切羽詰まって断乳になってしまいました。
この辺りは、各家庭の状況次第で判断されてみるのが良いかと思います。
参考として、おっぱいばいばい関連の絵本を纏めてみましたが、結構多いんですね。
我が家は1番目の物を用意していました。
絵柄も可愛く、読んでいるこちらも泣けてくる絵本で、一番メジャーなのはこれかと思います。
2番目もかなり人気でこの本で卒乳した方も多いです。
3番目も評判は良いのですが、絶版になっているのか、プレミア価格が付いています。
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