映画感想『ユージュアル・サスペクツ』

1.映画情報

作品名:ユージュアル・サスペクツ(The Usual Suspects)
ジャンル:犯罪 サスペンス
鑑賞履歴:2021/9/21(U-Next)
公式サイト:
wikipedia:wiki
監督:ブライアン・シンガー
制作年:1996年
制作国:アメリカ
上映時間:106分
配給:グラマシー・ピクチャーズ(アメリカ) アスミック・エース(日本)
メインキャスト:ケヴィン・スペイシー スティーヴン・ボールドウィン ガブリエル・バーン ベニチオ・デル・トロ ケヴィン・ポラック ピート・ポスルスウェイト
スタッフ:脚本(クリストファー・マッカリー)
原作:
受賞歴:第68回アカデミー賞 脚本賞 助演男優賞(ケヴィン・スペイシー)
予告動画:

映画「ユージュアル・サスペクツ」日本版劇場予告

2.評価(個人)

個人的な好き度合い (1/3)
※ ★☆☆~★★★が凄く面白いで、普通に面白い以下は全て☆☆☆です。

20年経った今でも、この映画のラストの衝撃は自分の中で一番です。
ケヴィン・スペイシーの表情、声、語り口、ここまで怪しくて、知性的で、得も言われぬ余裕を感じる佇まいはひたすら凄い存在感です。

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3.感想

※※※ 以下、ネタバレありです! ※※※

最後のどんでん返しを知っているのにこの映画を観ても面白いんだろうか?
そんな思いで改めて観ました。

初見は公開した頃なので20年程前ですが、ラストのインパクトは凄かったです。
正直に言えば、たぶんキントが親玉だろうというのは読めてはいたものの、
その場の張り紙やコーヒーカップのメーカーから空想で物語を作り上げていた事への天才ぶりに驚きを飛び越えてゾッとする程の恐怖を感じ、
引きずっていた足で平然と歩きだす姿に完全に逃げ切りを果たし切った痛快さを知り圧倒させられる。
ストーリーを遡れば、ひ弱なふりをしたり、カイザーソゼの存在をFBIが掴んでいる事に激高したり、キートンに騙されたと泣いたり、そんな姿まで嘘だったのか!!と思うと、そこにも絶句しかない衝撃があって。
20年経った今でも、この映画のラストの急展開、どんでん返しを超える映画はないかな。と個人的に思える映画でした。

改めての観返しですが、オチを知っていても面白い事は面白いです。
けれど、知らないでこの映画を観るインパクトにはやっぱり敵うはずもなく。というのは正直な感想です。
ラストの展開も、そうそう、こんな感じ!と、割と微笑ましく迎えながら、やっぱりこの展開かっこいいな。と感心したり。
ただ、とにかくケヴィン・スペイシーの存在感、その一挙手一投足に完全に釘付けになりますね。
表情、声、語り口、感情の変化、ここまで怪しくて、知性的で、得も言われぬ余裕を感じる佇まい、ひたすら凄いとしか言えない存在感です。

また、オチを知っているからこそ、ストーリーの細かい部分の合点が行ったり、純粋に謎解きを楽しめたり。という部分が多かったのも事実で、ラストばかりに目が行く映画かと思っていましたが、推理物としてもかなり面白い映画でした。
ただ、推理部分に関しては、警察の掴んだ事実、キントの説明する内容の2つから、キントの隠した本当の真実を推し量るしかなく、しかもその部分の解答に関しては、実はキントはカイザーソゼだった。という事実くらいしか明らかにならないんですよね。
なので、見終えた今の状態では謎だらけというのが実情です。

とにかく謎の多い映画。
自分にとっての謎と推測を整理すると、

・当初の犯行のエメラルドの強奪ではキントが作戦を立案し、麻薬の強奪ではキントが殺人まで行っているのに、なんでキントはここまでの自白をしておきながら保釈されたの??
 ⇒⇒⇒権力に顔の利く人間で、敏腕な弁護士(コバヤシ?)がいるからだと言っているけど、ここの無理矢理感はなんだかな。

・キント以外の4人の常連容疑者が話に巻き込まれたのは何故?キントの語る通り、彼らがかつてカイザーソゼに不利益を与えたのでその報復なの??
 ⇒⇒⇒どうなんだろう?ほかにキントの目的(船の中にいた男を殺す?)があって、4人はそれをカムフラージュする為に関連をでっちあげて信じさせた?

・キントはキートンを殺して船を爆破した後に何故逃げずに警察に捕まったの??
 ⇒⇒⇒捜査をかく乱したかった?生存者にとどめを刺したかった?

・キントって何者なの?そもそもカイザーソゼって実在するの?まことしやかなカイザーのエピソードって本当にあったの??
 ⇒⇒⇒カイザーソゼって実在しないんだろうな。キントが何かの為にでっちあげて流布していた人物が今回使えたというだけで。
    というか、気の弱い詐欺師として生きながら、権力を得て、何かの時の為の偽の人物まで用意しているキントってやっぱり恐ろしい。

的外れな物もあるでしょうが、謎が謎を呼びながら、たぶん、好きに考えろ!という類の映画なんでしょう。
もしかしたら、答えなんて最初から設定されていない映画かも知れませんが、それでも考える機会を投げかける映画って凄いですよね。

4.評価

世間の評価は以下のような感じです。

Filmarks:4.0
映画.com:3.9
amazon :4.3

面白いという方の意見:

・スタッフ、キャストの出世作。監督のブライアン・シンガー、脚本のクリストファー・マッカリー、出演者のガブリエル・バーン、ケヴィン・スペイシー、ベニチオ・デル・トロ。
・ラストのどんでん返しは映画史上最高。
・ケヴィン・スペイシーの演技に引き込まれ、圧倒される。
・イギリス人紳士がコバヤシという名前の衝撃。

面白くないという方の意見:

・前半部分がちょっともっさりとした展開。
・1回目の衝撃が強すぎて、2回目を観る気にならない。

世間の評価を見ての印象:

何よりもまずラストのどんでん返しの映画ですよね。
初見の方のインパクトの声と、二回目以降の方の改めての謎解きの声と、やっぱり人気も相当ある映画だと思います。
ただ、ストーリー的に割とダラダラした感は自分も感じていたので、その辺りが不満の声として上がってもいますが、その気持ちも良く判ります。

この映画から、監督、脚本家、そして俳優陣も羽ばたいていった人も多いので、同時期の『トレインスポッティング』みたいな感じもしますね。
こういった単館系の映画が追い風で2000年代に突入していく象徴的な映画なんだろうな。と思いながら。

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字幕版

吹替版

5.お勧めしたい人

こんな方にはお勧めの映画かも知れません。

・役者の演技力を感じたい人。
・脚本の素晴らしさを感じられる映画。
・ラストが衝撃的な映画。
・天才的な頭脳を持った人間を扱った映画。
・裏社会物が好きな人。
・マフィアを扱った映画。
・主人公の心情をモノローグ形式で伝える映画が好きな人。
・最後まで解決できない謎が残る映画。

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