映画感想『告白』

1.映画情報

作品名:告白
ジャンル:ミステリー サスペンス 学園
鑑賞履歴:2021/7/5(U-Next)
公式サイト:東宝公式
wikipedia:wiki
監督:中島哲也
制作年:2010年
制作国:日本
上映時間:106分
配給:東宝
メインキャスト:松たか子 岡田将生 木村佳乃 橋本愛 西井幸人 藤原薫
スタッフ:脚本(中島哲也)
原作:『告白』湊かなえ

受賞歴:第34回日本アカデミー賞 最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞・最優秀編集賞
予告動画:

映画「告白」劇場予告

2.あらすじ

公式サイトをご覧ください。

3.感想

※※※ 以下、ネタバレありです! ※※※

先日、原作の方を読み返したので、改めて映画の方も見直しました。
原作の方で、散々感情的な毒々しさは感じていたので、映画自体からストーリー的な恐怖感を新たに感じることはなかったのですが、映像化されることでより毒々しさの刺激が強化された部分は多々ありました。
原作にはないシーンですが、目の裏側に森口先生の「どっか~ん」の映像が張り付いて、『告白』=『どっか~ん』くらいのインパクトで残っています。

所々、ストーリーも原作との違いはありますが、辻褄合わせ程度のもので大筋に違いはないかと思います。
強いて言えば森口先生の復讐する姿に少し罪悪感的な描写を持たせた部分はありますが、原作同様、僕の中で森口先生のスタンスは救いのない復讐という立ち位置に変化はないです。

元々、原作の中でもキャラクターの心情的な部分にはあまり入れ込めなかったのですが映画も同様でした。
きちんと筋道立てて悪事に至るまでの心理は描かれているものの、なかなか突飛な10代の過敏な過剰反応が描かれているだけに共感も同意もしかねるという感じで。
寧ろ、この原作も映画も魅力はそういった過激さを上回る描き方にあるように思います。
原作は悪意の塊を全身に浴びながらも読み切らされてしまう勢いがあって、映画の方は悪意という意図を持った映像作品を観ているような真新しさと飽きなさ。
テンポの良いカット割りと細切れで意思をもった映像の連続、いじめ、殺害、序列、アイドル、携帯メール、回想シーン、映像は時にスローに、時に景色を変えて、時にダンスで感情をデフォルメさせて、ただほとんどの映像が悪意という共通項をもって自由に編集されています。
そういったカットの連続は否応なしに映像の世界に引き込ませ、圧倒的な映画作り、というよりも映像作りの巧みさを感じました。
だからと言って、この映画が映画ではなく映像作品と言うつもりはなく、映画としての評価として、かなり際立ったセンスと巧みさのある作品だと思っています。

映画の魅力として、松たか子さんの存在感は際立っていました。
冒頭から、細切れのようなカットが続く中、淡々と変化のない口調で悪意を口にしていく姿、時間にして30分程このシーンが続きますが、ストーリーの前提条件、子供達の教室風景・人間関係、娘の死亡と殺害の状況、そして最後に明かされる復讐の宣告。
これだけの情報量を開始30分に全て詰め込んで、破綻なく、後の展開に繋いでいきます。
この構成の上手さは素晴らしいですが、やはり松たか子さんの演技があって成り立つ構成かと思います。
安易に子供達に迎合しない少し冷たさを感じる絶妙な距離感、そして娘を亡くした(というよりも殺された)憎しみを内に秘めて静かな攻撃性を帯びた語り口。
それでも言葉を崩さずに、淡々と記憶を辿り、子供達を未熟で弱い物として突き放して語っていく姿。
凄まじいですね。本当に。原作の雰囲気を踏襲しつつ、よりイメージが違和感なく映像化された最高の仕上がりです。

音楽も素晴らしい選択でした。
ノイズあり、ギターサウンドあり、ダークで、退廃的で、浮遊感のある曲が多かったイメージです。
radioheadの曲も繊細なピアノの音色がなかなか良いですが、BORISは書下ろしだったようです。
映像作家の方の音楽への知見とセンスは驚くことが多いですが、中島監督に対しても尊敬の思いで観てしまいます。

4.評価

個人的な好き度合い:★★☆ (2/3)
※ ★☆☆~★★★が凄く面白いで、普通に面白い以下は全て☆☆☆です。

かなり面白かったです。全編を通して毒々しさがありますが、一続きの映像作品を観ているようで引き込まれる映画でした。

世間の評価は以下のような感じです。

Filmarks3.6
映画.com3.8

面白いという方の意見:

・役者の演技力に圧倒される。子役の芦田愛菜ちゃん、中学生の橋本愛が観れるのも嬉しい。
・後味の悪い映画なのに、最後まで見てすっきりとした気持ちになった。
・思春期の子供の演技を普通に撮ると嘘くさくなるが、ここまで映像でデフォルメすると逆に見やすい。
・森口教師の復讐に共感できる。復讐が叶ってよかった。
・スタイリッシュな映像に引き込まれる。

面白くないという方の意見:

・映像が凝り過ぎて気持ち悪い。
・映画全体の悪意が好きになれない。子供達の悪意も気持ち悪い。
・映像クリエイターの作品であって、映画として認めない。
・ただの不幸で残虐なだけの映画。

世間の評価を見ての印象:

少し意外だったのですが、映画を観ている内に中学生達を憎み始め、制裁が叶って良かった!という意見が多かったことです。
その意見を否定という意味ではなく、普通に「なるほど」と思ってしまいました。
確かに、勧善懲悪としてこの映画を観ればそういった映画になるんですよね。
なんで自分はそう観れなかったんだろう?と、逆に考え込んでしまいました。
特に答えが出たわけではないのですが。。。

面白くないという方には、この映画の悪意というものへの拒否感を持った方が多く、映画以上の悪意で作品を貶す方が多かったのも印象的でしたが。。。
イヤミス(嫌な気持ちになるミステリー)と呼ばれる作品なので、この辺りの評価が多くなるのはしょうがないかもしれませんね。

最後に中島監督のインタビューの記事が面白かったので紹介します。
https://eiga.com/movie/55065/interview/

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5.お勧めしたい人

こんな方にはお勧めの映画かも知れません。

・観た後に嫌な気持ちになる映画を観たい人。
・学校内のいじめを扱った映画を観たい人。
・ラストが衝撃的な映画。
・精神的な病を扱った映画を観たい人。
・社会問題に切り込んだ映画を観たい人。
・胸糞キャラを観るのが好きな方。
・家族を失った悲しみを感じたい人。
・役者の演技力を感じたい人。
・音楽が最高の映画。
・映像がスタイリッシュな映画。

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