映画雑記『巨匠を観る』(経過まとめ)

1.はじめに

映画感想サイトを始めてはみたものの、10年近く映画から離れていたこともあって、メンテナンスも兼ねて始めた企画です。

企画時の記事はこちらですが、長いので飛ばしてもらって結構です。

全部で27作品、巨匠と言われる監督の作品をリストアップして、途中から
「多すぎた!」
「いい加減、最近の話題作みたい!」
とかなり後悔したものの、それでもやって良かったと思っています。
だいぶ、名作ってこんな感じで感情が動く物。とか、こういうのが好きで映画を観てたんだった!という感覚も取り戻せたような気がします。

2.現在の状況

27本中、15本を鑑賞済なので、半分は過ぎている状態です。
感想としては、20代の頃に「こりゃ判らん。」と、さじを投げた有名作がめちゃくちゃ面白かった事に気付くことが出来て、当時の自分の若さに気恥ずかしさを感じながら。
8 1/2』や『地獄の黙示録』、『雨月物語』、『グロリア』等、こういった映画達を苦手、良く判らん。と終わらせてしまっていたのは本当に勿体なかったな。という思いです。
新しく観た映画でも『抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-』、『パリ、テキサス』等を発見できたのは本当に良かったです。

一方で予想通りというか、やっぱり好きになれなかったのはゴダールの『勝手にしやがれ』。
これは、この映画が、というよりもゴダールが自分には受け付けないんでしょう。
こういうのってきっと避けられないというか、個人的な好き嫌い、生理的な拒絶、価値観が正反対。という人間関係みたいに知れば知る程苦手になる感じ、もう、致し方ないと思っています。
10年くらい経てば変わるかもしれませんが。。。
あとはロバート・アルトマンの『ナッシュビル』は『M★A★S★H』の苦手感を払拭してくれないか?と期待していたんですがダメでしたね。
でも、もう少しこの人の評判の良い物、『プレイヤー』とか、『ショート・カッツ』とか観て、そこで面白ければ評価は変わりそうな気はするんですけどね。
この人の描くどぎつさにちょっと自分が過剰反応しただけのような気もしなくもなくて。
一旦、最終的な評価は保留かな。という感じです。
タルコフスキー、ベルイマンに関しては、もう少し他の作品も観たいな。と思いながら。
タルコフスキーは観た上であまり好きにはならないような気もするし、ベルイマンはとんでもなく好きになりそうな気もするし。

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3.とりあえず今、思う事

最初は27本を見終えるまでは、それ以外の映画は観ない。と息巻いていた所はありましたが、とにかく自分の趣味嗜好を再整理したかった。という意味では、8割方、整理は出来たのかな?と思っています。
そういうのもあって、先週あたりから劇場で『ドライブ・マイ・カー』を観たり、ちょっと疲れがたまった時のカンフル剤で『孤狼の血』を観たりもしているんですが。
やっぱり、新しい物はそれだけで新鮮さがあるというか、時代背景を考えずに構えることなく観れるというか、気楽だし面白いんですよね。
一方で古典と言われる作品の上質さも素晴らしいのですが、若干、蓄積する疲労があるとも思っていて。
そんな中で『巨匠を観る』だけに偏るとペースが落ちそうな気もするので、この企画と、新作・話題作を観るというのを並行で進めていくかな?と思いながら。
そうするとこの企画の終了も年内いっぱいくらいまで伸びるんでしょうけれど。

あとは、『巨匠を観る』以外にもやりたい企画はあって、なにしろ映画から10年以上離れていると、QUEEN好きにも拘らず『ボヘミアン・ラプソディ』の存在を3カ月前に知ったり、『JOKER』って凄い話題だから観てみたいし、この10年での話題作を10本くらい観る企画を並行で始めてしまおうかな?と思ったり。
というか1年毎にいろんな企画を立ち上げて、『巨匠を観る 2022』とか『日本の巨匠を観る 2022』とか、『アメリカン・ニュー・シネマを観る 2022』とか、そういう企画を毎年やっていこうかな?と、そんなことを考えています。

もう一個、自分が年間300本以上映画を観れる状況であれば、結構、片っ端から映画も観るんでしょうけれど、仕事と子育てをしながら、レビューも書いてとなると、正直頑張っても120本が限界かな。と思っていて。
そうすると、余り余計な映画を観る余裕がないというのが少し悩みでもあるんですよね。
そういう意味では、旧作は評価がある程度高い物をピックアップして観ていくしかないかな?と思いながら、それもあっての企画を立てて観るものをリストアップしていくのは今後も必要かな?と思いながらです。

4.今後の『巨匠を観る』

残り12本。
最後に重い物が固まらないように。と、割と前半に不安のあるものを纏めたこともあって、若干、観る事の余裕は出てきます。
ただ、今回の一番の自分の疑問。
『ベニスに死す』を楽しめるだろうか?というのは、最後の鬼門だと思っています。
なので、この映画でラストを締める予定です。
その前にも初めての監督として、ジム・ジャームッシュはどうなんだろうな?と不安も感じながら。
あとは子供映画、『ケス』が子供が主人公という理由でダメだっただけに非常に不安ですが、『ミツバチのささやき』が不安。
キアロスタミも『桜桃の味』を観る予定でしたが、『友だちのうちはどこ?』に変更しようと思います。
しつこく子供物で。この2本を観てダメなら本当に子供物は当分諦めようと。
割と切羽詰まってます。
もう一個、変更としてはトリュフォーの『大人は判ってくれない』を『華氏451』に変更します。
これはゴダールがダメなのか、ヌーベルバーグがダメなのか?を判断したいという理由で、『大人は判ってくれない』を観ると子供映画だからダメってだけになりかねないので変更しました。
出来ればトリュフォーの別の作品が良かったんですが、VODではこれくらいしかなかったのが辛い所です。

5.作品リスト

企画のリストと同じものですが、再添付しておきます。

4.-1【今後の予定】

アッバス・キアロスタミ 『友だちのうちはどこ?』 未見

苦手だった子供物。
自分に子供が生まれたことで変化があるか?

クシシュトフ・キェシロフスキ 『二人のベロニカ』 未見

大好きな監督さん。
VODで観れるのが『トリコロール』の3部作とこれだけなので、未見のこちらを。

ジム・ジャームッシュ 『ストレンジャー・ザン・パラダイス』 未見

実はジャームッシュは一本も観ていない。
とりあえず一番有名な物を。

ジャン・ルノワール 『大いなる幻影』 視聴あり

『フレンチカンカン』とこれと、どっちも大好きな映画。
多分、今観ても面白いと思うだろうけれど、念の為に観る。

デヴィッド・クローネンバーグ 『ビデオドローム』 未見

クローネンバーグは3本ほど観ていて大好き。
多分、普通に面白いだろうと思う。

テレンス・マリック 『シン・レッド・ライン』 視聴あり

人生でベストに近い映画なので問題ないとは思う。
むしろ、この映画の何が自分に取って引っ掛かるのか?を再確認したい。

ビクトル・エリセ 『ミツバチのささやき』 視聴あり

視聴ありと言っても、多分、序盤で止めている。
苦手だった子供物。
自分に子供が生まれたことで変化があるか?

フランソワ・トリュフォー 『華氏451』 未見

20年前に観たきりで、特に印象も変わらず終わりそうな気もするけれど。
トリュフォーはあまり観てはいないけれど『アメリカの夜』は大好き。

ミケランジェロ・アントニオーニ 『情事』 未見

アントニオーニは3本ほど観ているが、比較的新しめのものを観ていて、印象もあまり残っていない。
全盛期の物で評判の良いものを観てどう感じるか楽しみ。

ルイス・ブニュエル 『哀しみのトリスターナ』 未見

『昼顔』は好きでそちらを観返したかったのだけれど、VODにないのでこちらを観る。

ルキノ・ヴィスコンティ 『ベニスに死す』 視聴あり

この映画は3回くらい観ているはず。
今回こそ面白いと思えたりしないか?今回の企画で一番気になっている映画。

ロマン・ポランスキー 『ローズマリーの赤ちゃん』 未見

割と苦手意識のある監督さん。
『チャイナタウン』を観て、この雰囲気が苦手と思い、それ以降は何も観ていない。
ホラーなら大丈夫そうな気はするけれど。

4.-2【視聴済み】

アンドレイ・タルコフスキー 『ノスタルジア』 2021/7/26

20年ほど前に『惑星ソラリス』を観て、記憶はあまりない状態で視聴。
普通に面白かったけれど、この一本でタルコフスキーの好き嫌いはまだ判らない。と思いながら、VODで他に観れる作品がない。。。

フェデリコ・フェリーニ 『8 1/2』 2021/7/27

20年ほど前にみて諦めた映画。
自分の中での最高一本に近いほど、面白かった。
フェリーニは半分くらい観ているが、多分、大好きと言っていい監督さん。

イングマール・ベルイマン 『仮面』 2021/8/2

サイケで前衛的なオープニングに驚きながら最後まで観ました。
ベルイマンでも代わり玉的な作品だったようですが、監督としての素晴らしさは十分に判りました。
これ以前の有名作も観たいのですが、VODにない。。。

ウディ・アレン 『アニー・ホール』 2021/8/3

セリフ回しの独特さと映像の仕掛けの多さに驚きながら観ました。
この時代にこんなことしてたんだな。と思いながら。
男にとって身につまされる悲哀感がこの人のテイストであれば、この先も観ていきたいと思う監督さんでした。

ジョン・カサヴェテス 『グロリア』 2021/8/6

面白かった!
ジーナ・ローランズのタンカにドハマりしました。
こんなに面白いんであればもっと早く知りたかった!

ジャン・リュック・ゴダール 『勝手にしやがれ』 2021/8/5

20年ぶりに観ましたが、やっぱりゴダールへの印象は変わらないですね。
セリフ回しが自分には無理でした。

ヴィム・ヴェンダース 『パリ、テキサス』 2021/8/10

とりあえず、過去にヴェンダースで寝てしまった不安を払拭できたので安心しました。

でも、寝る寝ないは抜きにしても素晴らしい映画でした。
切なく、悲しい。こんなに人の心をしっかりと描く監督さんなんだな。と、ちょっと印象が変わりました。

ロベール・ブレッソン 『抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-』 2021/08/14

初のブレッソンでしたが、面白かった!
ヒリヒリと緊迫感が堪らない映画でした。

ケン・ローチ 『ケス』 2021/08/16

救いのない展開に、そう言えばケン・ローチってこんな映画だったよな。と思いながら。
主人公が少年なのでなかなか感情移入し辛かったですが、この人の映画は嫌いではないのでこの先も観続けたい監督さんです。

デヴィッド・リンチ 『イレイザーヘッド』 2021/08/17

グロイ、怖い、不気味、そして笑う。
リンチはデビューからとんでもないもの作ってたんだな。と驚きながらでした。
短めの90分の映画ですが、理解が追い付かない中でここまで見せ切る映画を作るのって凄いなと思いながら。

溝口健二 『雨月物語』 2021/08/18

ちょっと映画の価値観がひっくり返る様な作品でした。
シンプルな人物造形の中で際立つ混乱した世界観と、けれど心の通い合いで泣かせる。
なんとなく芸術寄りの監督さんだと思っていましたが、こんなに人情的な映画を作る人だったとは。

ロバート・アルトマン 『ナッシュビル』 2021/08/20

やっぱり自分にはちょっと表現がどぎつく感じるかな。
『M★A★S★H』の時と同じ印象を持ってしまいました。
群像劇としては素晴らしい映画だと思います。

エミール・クストリッツァ 『アンダーグラウンド』 2021/08/27

過去に観たことはありましたが、物凄い熱量の映画でしたね。
1部、2部と進んで大丈夫かな?と思いながら観ていたら、3部でとんでもないことになりました。

フランシス・フォード・コッポラ 『地獄の黙示録』 2021/08/31

20年ぶりに観ましたが、以前のトラウマを払拭する面白さでした。
戦争ドラマとしても、戦争アクションとしても、どちらで観ても秀でた作品で、凄いとしか言えないですね。

ロベルト・ロッセリーニ 『無防備都市』 2021/09/01

いまいち乗り切れなかった感はありますが、記憶に残るシーンは多かったような。
この時期の日本映画とも通じるような精神性が気になったので、少し掘り下げてみました。

【補足】 映画史を学べる書籍紹介

自分の巨匠の定義等も曖昧ですが、映画史として統計付けた理解の出来そうな書籍を纏めてみました。
興味がある物は覗いて頂ければ楽しいかと思います。

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